Beanの日記

徒然日記

理由 宮部みゆき★★★★★

理由 (新潮文庫)

理由 (新潮文庫)

ドキュメンタリ調にまとめられた推理小説バブル崩壊後の、ローンによる借金地獄、競売物件、占有屋と、少し年をとってしまった私は、そういうことがTVでとりざたされていたこともあったなぁと思い出す。『火車』と同様、本当によく勉強されて書かれていると思う。最後まで楽しく読んだ。物語は、事件の真相が明らかになって真犯人が出頭したところで終わる。登場人物のその後というか現在がはっきりと書かれていないのが気になるところであるが、作品全体の統制からいうとないほうが自然だから仕方ない。
それにしても、宮部みゆきさんはいろいろな作風の作品を書くと思う。私が読んだことがあるのは、『火車』『今夜は眠れない』、『夢にも思わない』、それからタイトルは忘れてしまったが、お江戸が舞台になっている時代小説風の推理小説である。同じ人が書いたとは思えない。それから、私とはまったく異なる趣味の夫も何か読んでいた。ジャンル的にはSFファンタジーとかいってたかな。本当、すごすぎる。