Beanの日記

徒然日記

2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

[読書]博士の愛した数式 小川洋子

80分間の記憶しかもたない博士と、家政婦とその息子の過ごした、かけがえのない時間をつづった作品。作品のあちこちで、静かに涙がでる。 どうせ博士の記憶は80分しかもたないのだから、いい加減に接してもよいはず。ところが、物語の家政婦もその息子も、博…

自負と偏見

17世紀から18世紀のイギリスの田舎貴族の恋愛と結婚事情を、ベネット一家を通して描いた作品。このぐらいの時代の作品は、お互いの財産を賞賛しあったり、いわゆる品位やマナーについて薀蓄をたれて助長的な作品が多いが、この作品は、比較的そういった表現…

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ため息の時間 唯川恵

唯川恵さんにしてはめずらしく(?)、男性が主人公の作品集。作者のあとがきに、「男の視点で女を描く」ことに挑戦したとあるが、私の感想は、「第三者の女が、どこかからじっとみていて、その一部始終を筆に執って書いた」といった感じ。 私の中では、唯川…

月の砂漠 青山真治

IT、ベンチャー、株、ドラッグ、家庭崩壊、、、といった最近よく聞くキーワードをストーリの背景にもりこんだシナリオ風小説。小説を読んでいる間中、頭に映像がパンパン浮かぶ一方で、登場人物の内面的なイメージがわかない。そのせいか、読んでいるときは…