Beanの日記

徒然日記

ため息の時間 唯川恵

唯川恵さんにしてはめずらしく(?)、男性が主人公の作品集。作者のあとがきに、「男の視点で女を描く」ことに挑戦したとあるが、私の感想は、「第三者の女が、どこかからじっとみていて、その一部始終を筆に執って書いた」といった感じ。
私の中では、唯川恵さんは自分の経験を生かして(?)、OLの恋愛小説を書く人というイメージができあがっていたが、本書は向田邦子さんを感じさせる作品が何作かある。
収録作品は、「口紅」、「夜の匂い」、「終の季節」、「言い分」、「僕の愛しい人」、「バス・ストップ」、「濡れ羽色」、「分身」、「父が帰る日」の9作品。
どの作品も、読み終えるとため息をついてしまう。タイトルの「ため息の時間」は、うまい!と思った。