Beanの日記

徒然日記

火の粉 雫井秀介 ★★★★★

火の粉 (幻冬舎文庫)

火の粉 (幻冬舎文庫)

maki&yuzuから紹介された本。偶然、立ち寄った本屋でも当店のお勧め文庫本として紹介されていたので購入。読み応えがあってよかった。
物語は、二年前に無罪判決を下した男が隣家に引っ越してきた。偶然か否か?というところからはじまる。男が引っ越してきた後に次々と起こる不可解な事件の真相とは・・・。本から目が離せない。
無罪判決を言い渡した元裁判官、梶間勲が主人公だと思いきや、物語の前半は梶間勲の妻の尋恵の目線で展開され、終盤はその息子の嫁である雪見の目線で展開される。ちなみに、物語の発端を作った元裁判官 梶間勲はストーリの展開にはあまり関係がない。
今まで知らない作家で、初めて読んだ作品だが、読み応えがあってよかった。女性の登場人物の目線で次々にストーリーが展開されるが、その描写がすばらしい。息遣いや体温、体臭が伝わってくる感じがする。男性作家なのにすごいなぁと思う。
宮部みゆきさんの作品を評価する人にはおすすめ。