- 作者: 連城三紀彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/08
- メディア: 文庫
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すごく面白いというわけではないが、すぅっと最後まで読みきれる。
これまでの2作とは趣向が異なり、話は、老舗料亭の一人息子の語りべで展開する。
あらすじは次のとおり。
彼は家業の料亭を継ぐ気はなく、大学を卒業して商社に勤めている。父親は若くして亡くなっており顔もみたことがない。家族は料亭の女将である母親と、弟の雅彦。そして雅彦はもらい子である。決して普通ではないが、それでもこれまで3人でうまくやっていた。そこへ、ある日、母親が新次という男性を連れてきて一緒に生活をしだすということころから話がはじまる。
新次は彼より4歳年下ではある。しかし、よく気が利くし、いろんなことをそつなくやってのけるのですぐに家族、家業ともなじんでいく。それに反比例して、彼は家の中の居心地がどんどん悪くなっていく。
そんな中で、主人公一人だけが事情を知らずにあれこれ悩んだり、怒ったり、許したり、とどたばたやって話が展開する。
涙度2。*1