少数派(マイノリティー)の葛藤にフォーカスをあてた本。権利、主義、主張なんて話ではない。尚成(主人公)の日常を実況中継するような形で話が進む。独特の話法に最初はとまどいましたが、すぐに慣れた。
初めは覇気がない尚成に苛立ったが、読み進めて行く中で尚成は自身のLGBTQを通して深く悩み考えていることがわかった。自分なりのしっくりをみつけて、折り合いをつけて生きていくこと。そのバランスはとても危ういけれど、これからも尚成はこうやって生きていくだろうと思った。
日本人の多くは自分は普通(多数派(マジョリティー))だと思っているけれど、そんなことはない。例えば、就職活動(大企業のいわゆる総合職)において女性は少数派(マイノリティー)だ。グローバルな組織では肌の色で差別を受けることもある。作品ではLGBTQを取り上げているが、自分が少数派(マイノリティー)になったときにどうするかという問題は他人事ではないと思う。
あと、ストーリには関係ないけれど、登場人物の名前が今っぽくて、ちょっと疲れた。
以下は、メモ。
【心に残った言葉と感想】
「生産性がない人なんていません」ってつまり、「どの個体も、意味や価値に始まる何かしらの生産性とは無関係ではいさせません」っていう宣言、でもありますよね?
だから、全然優しい言葉ではないんですよ。
それどころか、自分が今後どんな状態になっても、いつ何時でも、共同体によって有用な個体でいなければならない感、すごくないですか?
他人の目を気にするなーーーヒトの世界でよく聞く言葉ですけど、これって単純に”他人の目”自体がコロッコロ変わるからアテにするなっていう意味だったんですね。てっきり、自分らしく生きるとか個性を大切にとかそういう話かと思ってました。
辛辣だけど、私もそう思う。
家庭と学校という最初に所属する二つの共同体、こことの関係性が重要な気がしました。この二つから拒絶されなければ、その後いくら手を替え品を替え立ち入り禁止宣告をされたとしても、共同体の原風景を信じる気持ちが勝ち越すのかも、って。
幼少期の環境は、人間形成上とても大切だと思った。
ヒトのオス個体って、メス個体と違ってメンタル不調に慣れてないんですよね。若いころにホルモンの影響をあまり意識しないで済むっていうところがあるので。あーあ、ここから男性ホルモンが減少してますます鬱っぽくなっていくと思うとうんざり~。
へぇ~。
玉石混合の情報が氾濫しているダイエット界隈ですが、「身体を動かすことを意識しつつ、摂取カロリーが消費者カロリーを下回るようにする」、「食物繊維と水の摂取を意識する」、「毎日湯船に浸かる」、「七時間以上睡眠をとる」、これらへの反対意見は特に見当たらなかったので、まずはこの四つを実践することにしました。
するとどうでしょう。この四つの約束事を守るよう努めるだけで、(後略)
これ、絶対に正しいダイエット情報だと思う!
ヒトが自然界にいろんなものを後付けし続けた結果、どの個体に対しても踏み込んだ内容を質問したり言ったりすることはハラスメントだという”なんとな~くの空気”が形成されてくれましたから。今は”多様性の時代”で、令和で、生き方は人それぞれ、ですもんね?
やっぱりどんな方向でも踏み込んだことを他人に訊いたり言ったりしないーーーそれが”令和”であり、今のヒトにとっての”多様性”なんですよね。
プライベートなことを訊かない。他人の人生に口を出さない。人それぞれ。
そうかも。
