Beanの日記

徒然日記

夜は短し歩けよ乙女 森見 登美彦 ★★★★☆

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

変わった題名の本。
登場人物は、黒髪の乙女とその乙女にひそかに想いを寄せる先輩、そして、彼らの周囲にいる個性的な人たち。舞台は京都の街と京大です。
先輩は、世の人がそうあってほしいと願う古き良き時代の京大理系人間。頭は良くて真面目、プライドが高いわけじゃないんだけど不器用なのを誤解されてプライドが高いように思われる、そういうタイプ。
黒髪の乙女は、どこまでもマイペースな京大生(学部は不明)。これまた古きよき時代の頭のいい女性にありがちな、精神年齢が低めでマイペースなお嬢様気質。
先輩が一生懸命画策して遭遇した出会いについて、いちいち「奇遇ですねぇ!」と返す黒髪の乙女。
地名は実名で普通の小説のような作品なのに、途中で急にファンタジーがはいってきて混乱しました。
ファンタジーの世界の部分については、最後まで理解できませんでしたが、京大生の色がよくでていました。
就職するまで関西で住んでいた私にはなんとなくなつかしく、学生独特ののんびりとした時間の展開もどこかなつかしく感じられ、読んで良かったです。