Beanの日記

徒然日記

「兄の終い」

「兄の終い」

兄の終い

兄の終い

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話はテンポが良くよかったが、読後感があまりよくない作品だった。作品が悪いという意味ではない。

どこの家にも1人や2人、「困ったなぁ」と思う身内がいる。その「困ったなぁ」の種類はいろいろで、病気だったり、経済的なことだったりする。読みだすと、他人事ではないと感じる人が多いと思う。

 

作品中に兄が発達障害だったことをにおわせる記述がある。発達障害や鬱の人の周囲には、必ずと言っていいほどその人のことを「優しい人」、「真面目で誠実な人」、「一生懸命だ」、「本当にいい人」と評価する人がいる。しかし、この言葉で傷つく人がいることはあまり知られていない。私は昔はその言葉を真に受けていたが、最近は「他の人と同じようにしていたはずのに、いつの間に、どうしてこうなったのだろう」と言っていると受け取るようにしている。

 

筆者は優しいと言われる兄と比べられ悶々として生きてきた。作品上、最後は兄を許し認めようとする心境になって終わっていたが、兄が一命をとりとめた場合でも同じ心境になっただろうか。私は兄を許したとか認めたというよりは、兄が亡くなり開放されたことから出た言葉だと思う。