Beanの日記

徒然日記

「傲慢と善良」

アマゾンの評価者数8,762、評価4.3に納得です。

ストーリー自体は好き嫌いがあると思いますが、今の世の中の色々なことに触れているように思いました。

 

 

「傲慢と善良」

婚活から話が展開しますが、背景にもっと大きな課題(社会問題?)があります。

主人公の真美はいわゆるおとなしくて従順ないい子です。そう、自分の意思や考えがないので従順なんです。実際にはここまでの人は少ないと思うのですが、そこは物語なので真美が全部背負っています。真美には違和感やイライラを感じますが、自分もそういうところある(あった)、〇〇(友人や身内)みたいだなと思うところが多々あります。

 

 

【婚活について印象に残った言葉と感想】

婚活の最初では、肝心なのは会うことの方で、その時点から相手に自分を理解してもらうことの方ではない。最初の段階から相手に自分の個性や魅力を受け入れてもらいたいなら、理解してもらえると信じている時点で理想に縛られている

 

「婚活でうまくいかない時、自分を傷つけない理由を用意しておくのは大事なことなんですよ。自分が個性的で、中味がありすぎるから引かれてしまったとか、資産家であるがゆえに、家の苦労が多そうだと敬遠されたとか、あるいは自分が女性なのに高学歴だから男性の側が気後れしてしまった、とか」

 

「今は情報が溢れているせいか、どんな方でもまずは結婚の前提として恋愛を求める傾向が強いです。自分にはこの人じゃない、ピンとこない。-----ドラマで見たり、話で聞く恋愛ができそうにないと、ご自分にたとえ恋愛経験が乏しくても、『この人ではない』と思ってしまう。そのうえ、皆さん、他人から理想が高いのではないかと指摘されるとたちまち否定されます。理想が高いなんてとんでもない。ただ、今回のお相手があわなかっただけで、自分は決して高望みをしているわけではない。自分が高望みできるような人間でないことはわかっているし、と。とても謙虚な様子で、むきになられて

 

婚活に限らず、言い訳はあると思います。自分を守るために逃げていいと思います。人には触れられたくない事ってあると思います。そういうところがあってもいいと思います。ただ、冷静に現実を俯瞰できる目も必要だと思います。

「理想が高い」って。。。無茶苦茶きつい言い方。

 

 

【登場人物が真美について放った言葉で印象に残ったものと感想】

学校や就職先みたいに、結婚相手もお母さんに責任を持って探してきてもらったらって言ったの。ーーーーー私からしてみると、真美が今、自分で何も決められなくなってるのは、親がいちいち進路を先回りして真美に選択させなかった結果のように見えたし、実際、昔はそのためにお見合いが当たり前にあったんだよね。だけど、今はお見合いシステムが崩壊しちゃってるから、親も子どももそこで初めて自分の思い通りにいかないことにぶつかって悩む。」

 

「真美が、私が言った通りに母に相談してお見合いをし始めた時にね、だから、諦めたの」

「母にっていうより、その頃は真美にイラついていた。ーーーーー親に子離れさせないのは、真美が望んでいるせいもあるんだなって。母は真美を思い通りにしたいけど、真美だって母の言う通りにしていたい。共依存っていうと大袈裟だけど、それに近いものを感じて、もう私が何をしても無駄なんだろうなって、その時に思い知っちゃった」

 

「だって、悪意とかそういうのは、人に教えられるものじゃない。巻き込まれて、どうしようもなく悟るものじゃない。教えてもらえなかったって思うこと自体がナンセンスだよ。」

 

皆が行くから大学に行き、親が決めたから就職し、そういものだからと結婚する。

そこに自分の意思や希望はないのに、好みやプライドとーーーーー小さな世界の自己愛があるから、自由になれない。いつまでも苦しい

 

あの子は自殺なんかしないよ。自分のこと、大好きだもん。控えめ、目立つのが苦手ーーーーーあとはなんだっけ?孤独な恋が似合う、とか書いていたよね。孤独な恋ってなんだって話だけど。マイナスのことを書くときでさえ、自分のことを『似合う』って言葉で肯定するような、そういう子だよ。自己評価は低いくせに、自己愛が半端ない。諦めてるから何も言わないでって、ずっといろんなところから逃げてきたんだと思う

 

あぁ、みんな、自分のことを棚に上げてずけずけと言いたいこと言うわね。当たっているだけにきつい!でも、そういうあなたも真美と50歩100歩じゃないの!?私は真美とは違うけれど、似ているところあるよと思いました。

 

真美を擁護するわけではありませんが、真美からすると大人(や周囲の人)って勝手なんですよね。その時々で自分の都合のいいことを要求してくる。真美からすれば相手のことを信用・信頼しているんです。自分にとっていいと思うことを助言してくれていると。鵜呑みにしているわけでもないし、全く考えていないわけではないのですが、これといって自分の強い思いがないからその助言に従う。それが主体性がないと馬鹿にされる。真美からするとやってられませんよね、振り回されているだけなんですから。

多くの場合はそういう悶々としたことを繰り返しもめるうちにお互いに学習して、相手と丁度良い距離ができてお互いに認めあうとい思います。ところが、成長がのんびりしているタイプだと自分の身の回りで起きている変化についていけないし、主体性が育まれていないと自分で考えてなんとかしないとという気持ちがない。処理オーバーになってしてしまってこのスパイラルから抜けられないでいると真美のようになってしまうのかな。。。と思いました。

 

小説は後半に急展開があってハッピーエンドです。人間、そんな急には変われませんから、ここからだと思います。頑張れ!と思いました。

 

タイトルはジェイン・オースティンの『高慢と偏見』を意識してつけられたっぽいです。