Beanの日記

徒然日記

友達がいないということ 小谷野敦★★☆☆☆

友達がいないということ (ちくまプリマー新書)

友達がいないということ (ちくまプリマー新書)

この間、会社の昼休みに派遣さんが、「便所めしをしている人がいる!」と報告してきました。その時の会話の一部はこんな感じです。↓
派:「さっき、あそこのトイレに入ったんですけど、便所めしをしている人がいました!」
私:「便所めしってトイレでごはんを食べること?」
派:「そうです。」
私:「どうしてそんなところで食べるの?席で食べるのが嫌なの?それとも出張者で館内のことがよくわからなくてそうなっちゃうの?」
派:「(少し苛立って?)便所飯は、友だちがいなくてご飯を一人で食べなければいけない人が、それが辛くてトイレに避難して、誰にも見られないところで食事をすることをいいます。まぁ、おっしゃるように他にもトイレで食べる理由があるのかもしれませんが、便所飯というのはそういうことです。」
私:「(私は一人で食堂でささっと済ませることが多いわ。会社の食堂だとそういう人、男女問わず結構いるけど。。。)へぇ。。。なんで便所めしだとわかったの?」
派:「ものを食べる音がしました。」
私:「なんとコメントしたらいいのか。。。」
派:「別にコメントはしなくていいです。くだらないことをいってすみません。」

派遣さんもこのような話の展開になるとは思わなかったでしょう。。。ゴメンネ、世間知らずで。

そう、私は「便所めし」という言葉をこのときはじめて知ったのです。そして、この本の背表紙に書いてあった本の紹介文が「便所飯という言葉がある。」という文ではじまっていたのです。それで縁を感じて(?!)借りました。

本の内容ですが、最初の方は筆者の経験もふまえた話で、私はそれなりに読みふけりました。これからどういう話をしてくれるんだろうと期待もしました。
ところが、、、途中から、、、その世界ではそれなりの地位がある人を名指しで批判しだしはじめました。「この人、ここまで書いてもいいのかな。」と思うような内容になり、「本心かもしれないけど、ここまでいうと大多数の人はひいちゃうなぁ。」と思いました。私もひいてしまいました。そして気がついたら「友情とは元々男同士の間の関係のものを指すのだ」と学者らしいことをのたまいはじめました。そのあとは、有名な作家や哲学者や作品を、これでもか、これでもか、というぐらい紹介して、それで終わりでした。「結局、筆者はこの本をとおして何が言いたかったんだっけ?」と思いました。
筆者がどういう人かは知りません。調べようと思えばインターネットですぐに調べられると思いますが、そこまでしようと思いません。
収穫は、映画やドラマ、アニメ、小説で描かれている美しい友情はありえないと言い切る有名人(?)が見つけられたことです。