- 作者: パヴェーゼ,Pavese,河島英昭
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/10/17
- メディア: 文庫
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作品の内容は、ジーニアという少女の青春恋愛小説。といっても、ヨーロッパ文学にありがちな、高ぶる感情がどんなものであったかとか、相手がどれだけすばらしくみえたかという大げさな説明は殆どなくあっさりしていた。200ページ足らずの作品だったのですぐに読めてしまう反面、自分の中できちんと理解して消化しきれていない気がしてならなかったが、あとがきと解説を読んでだいぶ解決した。青春恋愛小説にはかわりないが、「恋愛そのもの」ではなく「人の少女が大人へと変わる"瞬間"」を描きたかったらしい。そこまで知ると、そのテーマと文体がとてもマッチしている気がした。解説によると、「丘の上の悪魔」、「孤独な女たちのあいだで」という作品といっしょに三部作のような形をとられており、それぞれの作品で同一人物かと思うぐらい文体が違うらしい。今度、他の作品も読んでみて比べてみようと思う。