「家族狩り」5部作の第5部。
馬見原刑事、学校教師、亜衣は、自身の疑問への答えをみつけ、動き出す。それ以外の登場人物については、上記の3名のラストから読者が想像するようになっている。
3人の共通点は自分自身を受け入れられるようになったという点だと思う。自分自身を受け入れられずに否定するということは関心が自分にむいているということであり、他人のことが考えられないということだと思う。
しかしこの3人、かなりの代償を払っている。更に、学校教師や亜衣は、いわゆる『普通』といわれる生き方とずれた道を歩もうとしている。自分自身の問題として考えたときに、第二の人生としては理想の生き方であるが、それまでは、学校教師や亜衣のような選択は本当に幸せなんだろうかと思わずにはいられない。